ふるさとだより


自分を育てるのは自分

このタイトルは、その一生を教育に捧げた東井義雄(トウイヨシオ)さんの講義録です。その中に次のような内容がありましたので紹介します。

“H.Kさんは生後間もなく脳性マヒになった。手足は左足が少し動くだけ。ものも言えない。しかも3歳で父が、13歳で母親が亡くなった。小学校にも中学校にも行けなかった。僅かに動く左足に鉛筆を挟んで、母に字を習った。彼女の詠んだ短歌がある。

不就学なげかず左足に辞書めくり漢字暗記す雨の一日を

左足で米をといでご飯を炊き、墨をすって絵を描き、その絵を売って生計を立てた。自分の為にだけ生きるなら芋虫も同じと、絵の収入から毎月身体の不自由な人のために寄付した。

彼女は言う。「私のような女は、脳性マヒにかからなかったら、生きるいう事のただ事ではない尊さを知らずに過ごしたであろうに、脳性マヒにかかったお陰で、生きるということが、どんなにすばらしいかを知らしていただきました。」

さらに東井さんは語る。人間は5千通りの可能性を持って生まれてくる。死刑囚になる可能性も泥棒になる可能性もある。その5千通りの可能性から、どんな自分をつくりだしていくか。”と。

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