ふるさとだより


子どもの躾は大人のつとめ

「神社新報」の今月号に松尾大社宮司の佐古氏が、次のような記事を書かれていたので紹介します。

 “人間が地球上の動物として与えられた使命は、大きく分けると3つ。1つ、生きるということ。2つ、子どもを作ること。3つ、その子どもをきちんと育てることーであります。    ある動物園の園長さんが,トラの子の話をされました。  トラのお母さんが子どもを産むと、当然子トラはお乳を飲みます。その時トラは子どもでも爪を持っている。爪でお母さんのお乳を握るわけです。そうしますと、お母さんは痛くてたまらないから、子どもの首筋を噛んで投げ飛ばす。子どもはなぜ投げ飛ばされたか判らない。そしてまたお母さんのお乳を噛む。そうすると又投げ飛ばされる。そういうことを何度もやっているうちに、爪を出して握ってはいけないこということを、覚えていくのであります。   またトラは、子どもでも牙が生えている。最初は牙を立ててお乳を噛む。母親は痛くてたまらないから、また投げ飛ばす。そういうことを何度もやっているうちに、牙を使ってはいけない、舌で飲まなければいけないと言うことを理解する。これが躾であります。こういう子どもは、成長して子ども達が一緒に遊ぶにしても、牙を使わないし、爪を使わないから、怪我をすることもありません。

ところが、何かの事情で母トラが育てないで、人間が哺乳瓶で育てた子どものトラを、ある程度成長した段階でトラの群れに戻すと、3日も持ちません。何故か?それは躾を母親から受けていないから、子ども達で遊ぶ時に牙を使い、爪を使って子どもを傷つけてしまうからです。だから、群れから当然放り出されてしまう。そうすると、それがやがて非常に凶暴となり、反抗的なトラとなって育っていく、ということです。我々人間の子どもも全く同様であります。

ひとつ、ふたつ、三つ・・・・九つと、“つ”のつく間に、どういう環境の中で暮らしたかは、人間にとって生涯にわたる影響を与えるのであります。・・・かく考えますと、「躾(しつけ)」と言うのは小さい時、ほんの就学前にやらなければいけません。その時に、「こういうことはしてはいけないんだ」ということを、父親や母親、或いはお爺さん,お婆さんが理屈ではなく、はっきり身体で教えなければなりません。

春になるとウグイスが鳴きます。ウグイスの特徴である「ホーホケキョ」という泣き声は、親鳥が鳴いて聞かせないと鳴くことができないそうです。遺伝子には、親が教えなくても活性化する遺伝子と、その親が教えなければ活性化しない遺伝子とがあるのであります。姿形はウグイスでも「ホーホケキョ」と鳴かないウグイスが野山にいっぱいいるのではないでしょうか。これはそのまま人間にも当てはまる真実であります。

日本人も日本人であるという特徴は、親が教えてやらなければ目覚めることができません。今、日本には姿形は日本人であるけれども、日本人の心に目覚めていない日本人がいっぱいおります。やはり親が「ホーホケキョ」と鳴いてやることが一番大切なことです。そうすれば日本人としての遺伝子が活性化し、日本人の子どもとして立派に成長していくのであります。・・・(以下略) ”         

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