ふるさとだより


自分の道をどんなふうに生きるか・・・

この本は、故東井義雄氏が、校長先生を引退後、中学生に対して行った講演を元にした本です。一度しかない人生をどのように過ごしていったらいいのか。様々な人々の生き方を例に出して、いのちの在り方を考えさせてくれる書です。涙なしには読めませんでした。若者に限らず、熟年者でも感性を呼び覚ましてもらえる一冊だと思います。

この中に以下の内容のものがありました。寄宿舎に入っている東井氏の娘さんからの手紙です。

「今日、数学の答案を返していただきました。私の予想よりいい点がついており、60点です。よくみると、間違っているのが当たったのしにしてあります。それでいい点がついていたのです。私はどうしようかと思いました。だってそれを言えば、60点としてもいい点ではないのに、それからまた20点も引かれてしまいます。60点から20点引かれることは、私にとって本当に辛いことです。でも私は、思い切って先生に申し出ました。先生ははじめ、この点で間違っていないと強くおっしゃっていましたが、私が詳しく説明すると、本当だね、と言って40点と直してくださいました。そして、正直だとおっしゃいました。私はパッと顔が赤くなるのを感じました。だって私はずいぶんこのまま、黙っていようかと思っていたんですもの。しかし、もうちょっとで20点どころではない、汚れた点を私の人生につけてしまうところでした。お父様、お母様のおかげで、間違いを犯さないで済みました。」

これを読んで、父親の東井氏は、「100点取ったよりうれしかった。自分で自分の人生を汚すことだけは、しないで済んだと報告してきたことが嬉しかった」と語っています。

大人になると、だんだんごまかすことばかりを覚えて行ってしまいがちですが、“正直”が死語になってしまってはいけないと思います。せめて子ども達には正直な気持ちを持ってもらい・・というより、大人が良いお手本を示さなくては、そうなりません。気を付けなければ・・・と強く思いました。

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