ふるさとだより


子どもを丸ごと受け入れる

昨日の続きで、明星大学の高橋史朗教授の提言から・・・・

「日本は昔から三世代同居が当たり前で、子育ては祖父母から次の世代に当たり前に受け継がれてきたのです。日本では昔から赤ちゃんが泣きだしたら、親はしっかりと抱きしめてきました。そもそも家庭教育のベースに愛着形成があり、無条件で丸ごと受け入れることで、親子間の“基本的信頼関係”が構築されてきたのです。そしてこの基本的信頼関係が育まれる中で、子どもの対人関係能力や自己制御能力などが培われてきました。 赤ちゃんが泣いたら、まずは落ち着いて抱きしめてあげる、日常の生活でもおんぶや抱っこをたくさんしてあげる、さらに授乳時はテレビを見ながらの“ながら授乳”ではなく、アイコンタクトこそ子どもに安心感を与え、親との一体感が生まれるベースとなるのです。 つまり家庭において母親が子どもを丸ごと受け入れるという愛着形成が失われてしまったことが、子ども達の問題行動となって現れているのです。

日本の伝統的な教育は厳しい躾にあり、今はその躾がなっていないのが問題だという意見があります。確かに躾は大事なのですが、その根底には母性的な地合いに基づく愛着形成が不可欠なのです。その前提があって初めて会津藩の武士の心得「什の掟」にある「ならぬことはならぬのです」という父性的義愛、つまり子どものわがままと対決する形で躾というものが成り立つのです。

これを昔の人は「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせる」と表現してきました。精神分析家であるエリクソンの発達段階説の中にも、愛着による基本的信頼感から自律性、自律性から自発性という経路を経て子どもが育つとされています。」

今、中高生など子ども達に起こる様々な問題の所在は子どもにはなく、親にあるといわれています。ですから親たちが変わらずして子ども達は変わらないと思います。保育園は長い時間生活する場ですから、園での責任も大であると思いますが、家庭教育が重要であることは言うまでもありません。・・・日本青年会議所(JC)で会頭を務めた方が、日々忙しくて子どもと接する時間がとれないとき、どんなに忙しくても家を出る時には必ず子どもを抱き上げ、ひと言「お前は俺の宝だ!」と言って出たのだそうです。たった数秒の触れ合いでも、子どもの心にしっかり愛情を注ぐことができる方法だと思います。日々忙しくしているお父さんお母さん方、丸ごと受け入れることをどうか忘れないでほしいと思います。

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