ふるさとだより


『実語教』

山高きが故に貴からず。樹有るを以て貴しと為す。(山は高いからと言って貴いわけではない。山は多くの樹木が茂ってこそ貴いのだ。)

人肥えたるが故に貴からず。智有るを以て貴しとなす。(人間は体が大きいからと言って貴いのではない。智慧があってこそ貴いのだ。)

富は是一生の財。身滅すれば即ち共に滅す。(物や金は生きている間だけの宝である。命が終わればそれらのすべてを捨てていかねばならない。)

智は是万代の財。命終われば即ち随って行く。(だが、智慧は生命を超えた宝である。智慧はその人の命が終わっても後々の人々に受け継がれて役に立つ。)

玉磨かざれば光無し。光無きを石瓦と為す。(宝石は磨かなければ光はない。光がなければ宝石もただの石や瓦と変わらない。)

人学ばざれば智無し。智無きを愚人と為す。(学ばない人は知恵を持てない。智慧を持たない人は愚人と言われても仕方がないだろう。)

※『実語教』は平安時代に成立し、江戸時代には寺子屋の素読用教材として用いられた。作者は弘法大師と伝えられるが確証はない。福沢諭吉の『学問のススメ』にも引用されている。

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