ふるさとだより


「おかげさま」と「身から出たサビ」

  山中伸弥氏(ノーベル医学・生理学賞受賞者)
             『夢を実現する発想法』(致知出版社)より一部紹介します。

≪この頃(中学生)、特に忘れられない思い出があります。
教育大学の学生さんが教育実習に来た時のことです。彼は柔道三段という腕前でした。
その人と練習で組み合うと、いとも簡単に投げられる。受け身を取って一本にされるのは悔しいので、私はちゃんと受け身を取らずに最後まで粘り、変な手の付き方をしてしまった。そのために、腕がボキッと折れてしまったのです。
実習の先生としてみれば、大変なことです。
部活動をしている最中に、生徒の腕を自分のせいで折ってしまったのですから。
その日の夜、慌てたように先生から電話がありました。電話を取ったのは母ですが、そばで聞いていると、先生は受話器の向こう側で平謝りをしている様子でした。しかし母はその時、こう答えたのです。
「いやいや先生、気にしないでください。 うちの息子の転び方が悪かったんだと思います。
 怪我したのはうちの息子のせいです。 明日からも気にせず、いろんな子を投げ飛ばしてください」
その時の態度は、わが親ながら立派だと感じたものです。
母親からはあまり教えられたことはありませんが、その出来事以来、私はいつも次のことを心掛けるようにしています。
何か悪いことが起こった時は「身から出たサビ」。
つまり自分のせいだと考える。
先生に投げられた時、自分がちゃんと受け身さえしておけば怪我をしなかった。
そのために三か月ほど柔道ができなくなりましたが、それも身から出たサビなのだと。
逆に、いいことが起こった時は「おかげさま」と思う。
確かに、自分が努力をしたためにうまくいくことはありますが、実はその割合は少なくて、周りの人の助けがあって初めて物事はうまくいくものなのだと思います。≫
こういう考え方って、素晴らしいですね。

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