ふるさとだより


保育園が心のふるさとに(part2)

4年前のEM環境マガジン(エコピュア)に投稿したものを、紹介させていただいています。

異年齢保育で育つ思いやり





保育園は1つの家族であり社会でもある。異なった年代の考えや思いにもまれて”個としての人格”が育っていく

昔は多子社会で、世代や世代同居は当たり前だったので大家族が多く、いろんな年齢の子どもたちが混ざり合いながら社会を形成し、その中で成長していったものです。最近は子どもの数が減って、1人または2人という家族が多くなっています。保育園まで年齢別ですべてを分けてしまうと、子どもによっては自分よりも年上や年下の子どもと全く触れ合う機会がなく育ってしまうことになります。「それは自然ではない」。そんな理由から大宝保育園では3~5歳は異年齢保育を取り入れています。

保育園は子どもの発達を援助するところですから、発達の異なる子を一緒にした方が、より発達を援助できるのです。制作物をつくる場合、3歳児だからやさしいもの、5歳児だから難しいものと決めつけてはいないでしょうか。3歳児でもできる子はいるし、5歳児でもできない場合もあります。そんな時、年齢で分けるよりも、異年齢で過ごした方が居心地良いはずですし、頭も気も使うので、身体のみならず心の発達も著しいものがあると確信しています。

異年齢保育を始めた当初、3歳の子の親から「以前はこんな子ではなかったのに、何か意地悪になった気がする」と相談を受けたことがあります。「何でだろう?」と私は考えました。

よく観ていると、年長の子は小さい子とどう接して良いか分からなくて、面倒をみるだけでなく、時には「あれ取ってこい」と命令口調になっています。3歳だった彼女はそのすべてを一度に受け止められなかったのかも知れません。しかし、彼女は園の中で面倒をみてもらったり、時には命令されたり、いろんな体験を経ながら年中・年長になるにつれて、すごく思いやりが持てるやさしいお姉さんへと育っていきました。お母さんも驚いて、「3歳の時はちょっと意地悪なこともして、妹のことをいじめたりもしていたけど、年長になったらすごく妹思いになっちゃって」と話してくれました。

年上も年下もいる。そういう社会の中でじっくり、長い時間をかけて人間関係を学びながら育つ。「親」という文字は、「木に立って見る」と書きます。まずは、「見守る」ことから実践してみましょう。

このページの一番上へ