ふるさとだより


国民第一

「常により良い日本をつくる努力を続けることが 残された私どもに課せられた義務であり、
 後に来る時代への責任であると思います」
昨日、満81歳の誕生日を迎えられた第125代の明仁天皇陛下は、記者会見でこう語られました。
ところで、普段、天皇陛下がどんなことをなさっているのか、どんなお気持ちで日々過ごしていらっしゃるのか・・・。
天皇皇后両陛下の側近として、10年半にわたり、お仕えしてきた前侍従長・渡邉允さんが語った両陛下の、あるご日常の記事があったので紹介します。
   
≪両陛下が大切にしてこられたものの中には、さきの大戦の戦没者の慰霊、沖縄県民への心づかいなど様々なものがありますが、福祉施設へのご訪問もその一つでしょう。
ご即位10年の記者会見で、「障碍者や高齢者(中略)に心を寄せていくことは、私どもの大切な務めであると思います」
とおっしゃっているように、両陛下は各地を訪ねられる際、最低でも1か所は近辺の老人ホームや障碍者施設、保育所などの福祉施設に足を運ばれています。
さらに、平成に入ってからは、こどもの日、敬老の日、障害者の日(現在は障害者週間)に、毎年それぞれ関係のある施設を訪ねてこられました。
これまで実際にお訪ねになった福祉施設の数は国内だけでも500を超えています。
加えて、災害のお見舞い。
これもまた両陛下が大事になさっていることの一つだと思います。
両陛下が平成になって初めて大災害のお見舞いに行かれたのは、平成3年の雲仙普賢岳噴火の時でした。
その時から現在まで一貫して変わらないのが、避難所をお訪ねになり、床に膝をついて
一人ひとりの被災者と丁寧に話しておられる両陛下のお姿です。
これはよくテレビでも報道されているので、ご存じの方も多いでしょう。
ただ、両陛下はそういう大災害の時にだけ国民のことを心配されているのではありません。
日本は自然災害の多い国ですから、台風や地震、川の氾濫などもしょっちゅう起こります。
その度に、どこの誰がどういう被害を受けたか、ということを心にかけておられるのです。
あれは私が侍従長に就任して間もない頃だったと思います。
宮殿で陛下と2人でお話をしていた時、急に大きな地震が起こりました。
建物がガタガタと音を立てて揺れるほどの規模だったため、私は慌てふためいてしまいました。
ところが、陛下は泰然とされ、スッと立ち上がって部屋のテレビを見ておられる。
しばらくすると、
「震度いくつ」「震源地はどこ」「津波の心配はありません」といった地震速報がテロップで流れました。
陛下はそれをご覧になると、「ああ、これなら大丈夫」とおっしゃって、お仕事を始められたのです。
その間、一切ご自分の身を案じられるようなことはありませんでした。
突発的な天災に見舞われた時、人は誰しも真っ先に自分や自分の家族のことを心配するものでしょう。しかし、陛下はいつ、いかなる時も国民の安全や幸福を第一にお考えになっているということを身を以て実感しました。≫

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