ふるさとだより


「真の喜びは試練の後にやってくる」

「音楽を通じて日本の尊い歴史や文化、さらには日本人独特の情感や感性、心根を伝えたい」そういう思いのもとに、福岡県を中心に九州各地で音楽教室やコンサートを展開している、音楽道「笑顔塾」主宰秋山千鶴さん。
子供から大人まで、皆キラキラと目を輝かせながら聴き入るといいます。そんな秋山さんが語った「心を育む音楽の力」という記事があったので、紹介します。
         
≪6歳でピアノを始めて以来、音楽とともに歩んできました。現在私は音楽道「笑顔塾」という教室と「心根コンサート」をライフワークと思い定めて取り組んでいます。一般の音楽教室やコンサートと大きく違うのは、「音楽は心を育む」という信念のもと、音楽を通じて皆さんに日本の尊い歴史や文化をお伝えしていることです。
例えば、かつて童謡、唱歌の代表曲の一つとして口ずさまれていた『花の街』。この曲には、戦争で焼け野が原になった国土に再び美しい花が咲くことを願った国民の思いが込められています。また、有名な『われは海の子』には七番まで歌詞があり、国を守らんとする先人たちの心意気が情感豊かに表現されています。
こうしたエピソードは、現代の大人や子供たちにとても新鮮で、皆キラキラと目を輝かせて耳を傾けてくれます。
私が中学校の講師をしていた頃、生徒が、「学校で社会の勉強をすればするほど日本ってそんなに悪い国なんだろうかと辛くなる。 けれども秋山先生が、日本は誇るべき国だとハッキリ言ってくれたことが嬉しかった」
という感想を寄せてくれました。
不登校だったけれども、私の音楽の授業にだけは顔を出してくれるようになった子もいたのです。
いまの社会は幼児虐待、いじめ、家庭内暴力、若者の自殺と、子供を巡るたくさんの問題を抱えています。
これらは、わらべ歌や童謡、唱歌など、人の心を育む音楽が家庭から消え、日本の大切な伝統文化が十分に語り継がれなくなってから増えてきたように思えてなりません。
かつての私は、世間に影響されては揺れ動く信念のない人間でした。
子育てについても随分迷い、拠り所となるものを求めていたところ、次女が生まれた時に教わったのがわらべ歌でした。
これは『かごめ』や『通りゃんせ』のような子供の遊び歌とは違い、母子が肌で触れ合い、五感を働かせながら歌える短い歌の数々です。「ととけっこう よがあけたまめでっぽうおきてきな おはよーっ!」
娘は嬉々として歌をせがみ、歌っている自分も気持ちがいい。
その喜びの中で、自分の身体に日本人の血が流れていることがはっきりと感じられるのです。
私が日本の歴史や文化に興味を持つようになったのはこの頃からでした。
モーツアルトはアイルランド民謡、ビートルズはマザーグースを聴いて育ったといいます。
ところが日本では、自分の国の子守歌もまともに歌えない人が増え、それとともに日本独自の情感や感性、心根が損なわれてきています。
危機感を抱いた私は、言葉、音楽、わらべ歌を通じて親子が触れ合い、五感によい刺激を与えて心を育む「五感育心」をテーマに音楽教育を始めたのです。平成8年のことでした。
最初に地元の図書館で親子を集めて開いたところ評判となり、口コミで保育園や学校、さらには行政機関、医療機関と、
様々なところから引き合いをいただくようになりました。
教室は私の経験や学びが深まるにつれ、より充実したものになりましたが・・・。≫ 

・・・このようになるまでには、長女の方の自殺未遂があったそうです。心肺停止に近い状態の集中治療室で、できることはわらべうたを歌うことだけ。そして次々と歌い続け、病室を後にしたその数時間後に、なんと意識が回復したのだそうです。この出来事があったからこそ今がある・・というわけです。感動しますね。

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