田村隆一氏の「木」という素敵な詩にであったので、紹介します。大自然の命のメッセージを感じられるような気がします。
≪木は黙っているから好きだ 木は歩いたり走ったりしないから好きだ 木は愛とか正義とかわからないから好きだ
ほんとうにそうか ほんとうにそうなのか
見る人が見たら 木は囁いて(ささやいて)いるのだ ゆったりと静かな声で
木は歩いているのだ 空に向かって 木は稲妻のごとく走っているのだ 地の下へ
木は確かにわめかないが 木は 愛そのものだ それでなかったら小鳥が飛んできて 枝にとまるはずがない
正義そのものだ それでなかったら地下水を根から吸い上げて 空にかえすはずがない
若木 老樹 ひとつとして同じ木がない ひとつとして同じ星の光の中で 目ざめている木はない
木 ぼくはきみのことが大好きだ≫
同時に、毎年年長児に読んでいる『大きな木』(シルヴァスタイン 篠崎書林) を思い出し、卒園までにはもう一度読んであげたいと思った。