いま道徳教育に熱い視線が注がれています。
今年4月には文科省が全小中学生に教材を配り、教科化へ向けて審議が続けられていますが、その土台をつくったのが、第一次安倍政権で教育再生担当総理補佐官だった参議院議員の山谷えり子さんです。
二宮金次郎に関する著作で有名な作家の三戸岡道夫さんもかつて代用教員として教壇に立った経験から、道徳教育の重要性を訴えている一人だそうです。そんな二人が語り合う「日本人の魂のルーツ」の記事を紹介します。
山谷えり子氏(参議院議員) 三戸岡道夫氏(作家)
≪三戸岡 私は日本人としての道徳観を継承することが、
そのまま日本の魂を継承することに繋がると思うのですが、
私たちの時はそれを「大和魂」と言っていました。
いま「大和魂」と言うと、すぐに軍国主義と結びつけられますが、
その根幹にあるものは、私は皇室の存在だと思っています。
結局、この皇室を戴く政治形態がよかったからこそ、
日本は国家として世界で一番長く続いていると思うんです。
(山谷) 日本は皇紀でいえば今年2674年、
次に長く続いているデンマークは約1100年間、
イギリスが900年超ですから、随分違います。
(三戸岡) 日本の皇室が2000年以上も続いているというのは、天皇陛下ご自身が仁の精神で政治にあたってこられたからだと思うんですね。
外国の王朝のように富や権力を集中させて絢爛豪華な宮殿を建てたりせず、
常に質素に謙虚に民を治めたから、国民もついてきたわけです。
(山谷) 一昨年が『古事記』編纂1300年でしたが、今度2020年の東京オリンピックの年に『日本書紀』編纂1300年を迎えます。
その『日本書紀』には神武天皇の橿原宮での詔が書いてありまして、
こういう国をつくりたいという3つの建国の理念が書いてあります。
簡単に説明すると、
1つは国民を大御宝といって大切にすること。
2つ目は「徳に応えて」とあり、道義国家になるということ。
3つ目は皆が家族のような国家になること。
そういう徳に基づいた素晴らしい理念の下に作られたのが、我が日本なのです。
(三戸岡) いまそれを知っている日本人のほうが少ないでしょうね。
(山谷) はい。 トインビーが、「12歳までに神話を教えない国は
例外なく滅びている」と言っていますが、いま多くの日本人は
「日本の建国の理念」を問われても、ぽかーんとしてしまうでしょう。
2674年前にそうした崇高な理念を拝し建国され、
今日もなお超近代国家としてあり続けているということが、
日本人の魂の原点ではないかと思います。
もちろん、この魂はいまでも日本人の根底にはちゃんと根づいていて、
東日本大震災など、ひとたび事が起こればちゃんと現れてきます。以下略≫