西脇俊二(ハタイクリニック院長)氏の言う「病気にならない食事法」の記事が興味深かったので紹介します。
≪もともと大学の医学部を出て精神科医として活動していた私が、断糖に着目する原点となったのは、長年苦しんでいた慢性鼻炎でした。それまで西洋医学で処方される薬では一向に改善しなかった症状が、漢方薬で克服できたのです。
その後、両親を相次いでがんで失い、西洋医学の限界を一層痛感した私は、通常の医療活動の傍ら、漢方やインドの伝統医学であるアーユルヴェーダなど、代替医療の研究を続けました。そうした中で辿り着いたのが、ノンカーボ(無炭水化物)ダイエットの第一人者である、崇高クリニックの荒木裕先生の提唱された「断糖」、つまり糖を断つ食事法だったのです。私がいま院長を務めるクリニックを訪れる方は、9割近くががんを患った方です。治療の柱としているのは、断糖です。
がん治療といえば、抗がん剤や放射線療法、手術、ホルモン剤投与などが主流ですが、まだまだ治療が困難であるのが実情です。私ががん患者さんに対して断糖を実践していただいているのは、がん細胞が主にブドウ糖を栄養源として増殖するからです。つまり炭水化物などの糖を摂取することは、がん細胞に餌を与えて大事に育てているようなものであり、
断糖によってがんの餌を奪い取れば、がん細胞は成長しにくくなるというわけです。がんの治療効果をさらに高めるため、私はビタミンCの点滴も併用します。ブドウ糖と化学構造がよく似たビタミンCを投与すれば、がん細胞はブドウ糖の代わりにこれを取り込みます。取り込まれたビタミンCはがん細胞にだけ強い酸化作用を示す過酸化水素を発生させ、がん細胞を退治します。
断糖で効果があるのはがんの治療ばかりではありません。例えば高血圧。塩分がよくないという認識が広まり、
日本の塩分摂取量はどんどん減っているにもかかわらず、患者さんは減っていません。実は高血圧は、糖が体内で消費されないために内臓脂肪が増え、その内臓脂肪が腎臓の塩分排泄機能を阻害すること。加えて、糖によって交感神経が緊張状態になることによって起こります。
本当にやるべきことは糖を抜くことなのです。痛風も、同じ理由で尿酸排泄機能が阻害され、尿酸が結晶化して関節痛が起こるので、断糖によって解消されます。動脈硬化の本当の原因も、コレステロールではなく糖です。血液中には細菌がおり、その主な餌はブドウ糖です。
体内で糖が合成されると細菌が急激に増え、増えた細菌が血管の内壁に傷をつけます。その傷にコレステロールが溜まるのであって、傷がなければコレステロールはするすると抜け、動脈硬化やそこから派生する脳梗塞、心筋梗塞は起きないのです。他にも、虫歯、肥満、メタボ、糖尿病、アトピー等々、断糖による予防、改善効果は様々なケースで確認できており、断糖は病気になりたくてもなれない食事法といっても過言ではないのです。以下略≫