ふるさとだより

自分で線が引けるように

2016/02/01

『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』は、平光雄氏が32年に及ぶ教育実践の中から、
特に子どもたちの心に響いたエッセンスを抽出して紹介されていて、とても参考になります。
先日31(日)テレビ静岡の人気講演番組『テレビ寺子屋』に出演されたそうです。見逃してしまいましたが、以下に著書の一部を紹介します。
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 「自分で線を引け」
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《何回叱られても、人に迷惑ばかりかけてしまう子がいるよね。
叱られないときちんとやれない子もいる。そういう子に足らないのは、これです。
「  ────────── 」 
そういう子は「自分で線を引く」ということができないんだ。
この辺まではいい。ここからはアウトというのが自分で線引きができない。
だからいつも誰かほかの人に引いてもらってガツンと言われなきゃはみ出てしまう。
世の中に、線は引かれていないけど、いろんなことに出てはいけない線はあるよね。
たとえば、
「授業中に変な音を立てる」「地下鉄で暴れる」「レストランで騒ぐ」……などなど、
全部「一線」を越えているよね。
しかし、これも自分で線が引けない人がいるということなんだ。
小さい子は仕方ない。
そこで叱られてだんだん自分で、こういうときはこの辺が線なんだなと学んでいる最中だから。
でも、高学年になってもそれじゃ、幼児と変わらないってことだよね。
自分の言動については、「自分で線を引ける」のが高学年です。
そして、それが「自律」ということです。

この話をした後は、折に触れ、
子どもの言動に対し、「今のは線ギリギリだぞ」とか「おい、今のは線越えてないか?」
というだけで「自律」への意識を強化していけるとともに、言動の「線」について、
集団でのコンセンサスを図っていくことも可能となる。
もちろん家庭でも同様であろう。》