ある人の話・・・。
人間はまず「ヒト」として生まれてくる。健常児であれば身体は100%完成しているが、脳はチンパンジーとほとんど変わらない。
その後「ヒト」は教育によって「人間」になる。教育をしなかったら何歳になっても「ヒト」のままだという。
そして、0歳から10歳位までに子どもに必要な教育が感性の教育だという。この時期に道徳心や真善美を理屈なしに教えなければならない。そして次の10歳から20歳までに必要なのが知性の教育で、それによって人間は「社会人」になっていくのだそうだ。
人間の脳はこの順番で発展するようにできている。だから感性が育っていないのに知性教育を前倒しして、理論、理屈で考える脳が先にできてしまうと、場の空気が読めなかったり、思いやりが欠如していたり、「法律に違反していなければ問題ないでしょ。」みたいな考えをする人間になっていくというのだ。
「とにかく覚えろ」「ダメなものはダメ」「意味はそのうち分かる」と江戸時代の幼少期の教育は意味を教えなかった。
「あいさつをしろ」「靴をそろえろ」「食事の前には手を合わせろ」などと道徳を詰め込んで感性脳を育てた。
そのことによって人格が形成された。もし、順番を間違えて青年期から道徳教育をすると、それは処世術になってしまうという。