ふるさとだより

蚊取り線香

2014/08/21

夏の風物詩の一つ、蚊取り線香。除虫菊というマーガレットに似た白い花を咲かせる植物、これがかつての蚊取り線香の原料で、特に花の部分が防虫作用が強く活用されてきたそうです。かつては日本は輸出するほど大量に生産していたそうですが、戦後は激減。除虫菊の代用品として、安く大量に生産することができた塩素系有機合成殺虫剤が開発され、使用されるようになりました。が、自然界では分解しにくく、動物や人の体内に蓄積する有害性が問題となり生産は中止されました。

その後、除虫菊成分「ピレトリン」に似た物質を化学的に合成した「ピレスロイド化合物」を作ることに成功し(昭和24年)、除虫剤・殺虫剤として使用されるようになって、蚊やハエ、ゴキブリやダニなどを駆除する殺虫剤成分として広く利用されるようになりました。しかし、人間の目や鼻、喉などの粘膜への刺激性、アレルギー反応、さらには視力低下や意識混濁、全身けいれん等の重い症状を稀に発症する可能性も指摘され始めているようです。中でもマットタイプや液状タイプの殺虫剤は、臭いがないため長時間継続して使ってしまいやすい為、身体への害がより大きくなりやすく注意が必要です。写真は、園で使用している100%植物性の蚊取り線香で、刺激性が低く、小さい子ども達にも安心です。保育室でも外でも使用しています。火をつけて煙と共に成分を広げるために、使いすぎることもありません。毎日使うものだから、安心安全のものがいいですね。