中嶌武夫氏(ナカリングループ代表、メルセデス・ベンツ中央会長)が「松下幸之助氏から教わった商売の神髄」
で以下の文があったので、紹介します。
≪・・(中略)・・しばらくして(バイク販売の)事業も軌道に乗り始めたんですが、しかし私にはどうしても納得できないことがあったんです。
私の実家は農家だったと申しましたが、農民は春、田んぼに稲を植え、それを育てるために夏は汗びっしょりになって草引きをする。
そして八十八の手を尽くして秋に米になり、それを収穫してお金に換える。
そういう血と汗との結晶があるんですよね。
ところが、商売の世界に入ってみて全然違っていたのはですね。例えば百円で仕入れた物を百三十円で売る。
当たり前のことですよね。でも私はその三十円に、どれだけの血と汗の結晶があるのかと思うんです。
何とも納得のいかなかった私は、松下幸之助さんが講演に見えた時に「こんなことが罷り通っていいのですか」と質問をしたんです。
【記者:それで、松下さんは何と?】
笑いながらね、「あんた、それは違うよ」と。
「お客様はね、あなたが勧めた自転車を、自分で有効に使われて事業などに役立てておられる。
ものを欲しがっているお客様にその商品を届ける。
嫌がっているものを押し付けるわけでは決してなく、 お客様に喜びを差し上げている。
商売とはそういうもんです。
学校の先生であれ、商人であれ、人様のお役に立つこと、それが社会に貢献するということなんだ」と。
それを聞いて、胸の支えがスッと取れたように思いました。
お金儲けというのは、儲けよう儲けようとしてするものじゃない。
お客様に喜んでいただくことによって、その代わりに給付を受け取り、それが会社の利益にも繋がってくると。
*中嶌氏の信條
1、人間の両親は宇宙の大霊に直結する
2、心に強く念じ続けた映像は必ず具現化する
3、幸、不幸は我が心にあり ≫