ふるさとだより

日本が台湾におこなった教育

2016/02/03

日本の統治下で、日本人として育った台湾人の楊 素秋氏。
台湾がかつて日本の植民地であったことも忘れられつつある昨今。
台湾においてどのような教育を日本が行っていたかを知ることで、凛とした日本人の姿が浮かび上がってくるかもしれません。統治下といえども、きちんとした人間教育を施したところに日本人の素晴らしさがあると思います。その 楊 素秋氏の記事(教育編)があったので  以下に紹介します。

《私は修身の時間がとても好きでした。
一週間に一回の授業でしたけど、先生が本を読んでくれたり、紙芝居を見せてくれたりして、
偉人伝に基づく訓話をたくさんしてもらいました。
例えば、楠木正成、二宮金次郎、宮本武蔵、吉田松陰、明治天皇、野口英世、乃木希典と、挙げればきりがないくらい。
これらの人物が艱難辛苦を乗り越えて立派な人になったという話を聞くたびに、感動してファイトが湧いてきました。
それからよく覚えているのが、ある時担任の先生が黒板いっぱいに大きな字で「公」と書いて、そのすぐそばに「私」
という字を小さく書かれたんです。
何を説明しようとしたのか、お分かりになりますか?
──「私」というのをなるべく小さくして、「公」のために生きなさいということでしょうか。
そうです。これがすなわち修身であると。私事は小さくするのが国民の誉れであり、それが国家と国民のあるべき精神だ
と教えていただいたんですよ。
それからもう一つ挙げるとすれば「教育勅語」ですね。
この中には「人間とは何ぞや」「人間の果たすべき責任とは何であるか」についての教えが説かれているでしょう。
人間の道理と学ぶべきことをこれほどまでに凝縮したものを、後にも先にも私は見たことがありません。》