ふるさとだより

国民第一

2014/12/24

「常により良い日本をつくる努力を続けることが 残された私どもに課せられた義務であり、
 後に来る時代への責任であると思います」
昨日、満81歳の誕生日を迎えられた第125代の明仁天皇陛下は、記者会見でこう語られました。
ところで、普段、天皇陛下がどんなことをなさっているのか、どんなお気持ちで日々過ごしていらっしゃるのか・・・。
天皇皇后両陛下の側近として、10年半にわたり、お仕えしてきた前侍従長・渡邉允さんが語った両陛下の、あるご日常の記事があったので紹介します。
   
≪両陛下が大切にしてこられたものの中には、さきの大戦の戦没者の慰霊、沖縄県民への心づかいなど様々なものがありますが、福祉施設へのご訪問もその一つでしょう。
ご即位10年の記者会見で、「障碍者や高齢者(中略)に心を寄せていくことは、私どもの大切な務めであると思います」
とおっしゃっているように、両陛下は各地を訪ねられる際、最低でも1か所は近辺の老人ホームや障碍者施設、保育所などの福祉施設に足を運ばれています。
さらに、平成に入ってからは、こどもの日、敬老の日、障害者の日(現在は障害者週間)に、毎年それぞれ関係のある施設を訪ねてこられました。
これまで実際にお訪ねになった福祉施設の数は国内だけでも500を超えています。
加えて、災害のお見舞い。
これもまた両陛下が大事になさっていることの一つだと思います。
両陛下が平成になって初めて大災害のお見舞いに行かれたのは、平成3年の雲仙普賢岳噴火の時でした。
その時から現在まで一貫して変わらないのが、避難所をお訪ねになり、床に膝をついて
一人ひとりの被災者と丁寧に話しておられる両陛下のお姿です。
これはよくテレビでも報道されているので、ご存じの方も多いでしょう。
ただ、両陛下はそういう大災害の時にだけ国民のことを心配されているのではありません。
日本は自然災害の多い国ですから、台風や地震、川の氾濫などもしょっちゅう起こります。
その度に、どこの誰がどういう被害を受けたか、ということを心にかけておられるのです。
あれは私が侍従長に就任して間もない頃だったと思います。
宮殿で陛下と2人でお話をしていた時、急に大きな地震が起こりました。
建物がガタガタと音を立てて揺れるほどの規模だったため、私は慌てふためいてしまいました。
ところが、陛下は泰然とされ、スッと立ち上がって部屋のテレビを見ておられる。
しばらくすると、
「震度いくつ」「震源地はどこ」「津波の心配はありません」といった地震速報がテロップで流れました。
陛下はそれをご覧になると、「ああ、これなら大丈夫」とおっしゃって、お仕事を始められたのです。
その間、一切ご自分の身を案じられるようなことはありませんでした。
突発的な天災に見舞われた時、人は誰しも真っ先に自分や自分の家族のことを心配するものでしょう。しかし、陛下はいつ、いかなる時も国民の安全や幸福を第一にお考えになっているということを身を以て実感しました。≫

焼き納め・冬至

2014/12/22

先週の土曜日に、文化会館でのお楽しみ会も無事に終え、おうちの人からもたくさん褒めてもらったと見えて、月曜日にもかかわらず、機嫌よく登園してきた子ども達です。インフルエンザや胃腸炎が巷では流行っているようですが、当園では幸い出ていません。が、発熱したお子さんがボチボチ出始まってきましたので、早寝・早起き・朝ごはん、手洗い・うがいの励行を、意識して臨んでほしいと思います。・・・というわけで今年最後の週に入り、ピザの焼き納めとなりました。外遊びの時間、みんなで少しずつ戴きました。そして今日は冬至です。昼食にはこんにゃくの柚子味噌を、おやつにはカボチャのきな粉和え・・と冬至にちなんだメニューをいただきました。柚子を持ち帰りますので、柚子湯で温まって下さい。細かく刻んで、お砂糖で和えてもいいですね!お湯をさしてレモネード風でもビタミン補給になってこの冬絶好の飲み物です。

天命追求型

2014/12/18

先日、白駒姫登美さんの著書を読んでいたら、次のような一節があったので紹介します。

「私は目標を掲げ、そこにひたすら邁進していく、いわばアメリカ型の成功哲学を20年以上追い求めてきました。それなりに結果も出て、楽しかったのですが、息切れをしてしまったのです。・・・そもそも日本人にとって成功=幸せだったのだろうか・・・。日本人の本来の生き方はアメリカ型の哲学とはちょっと違うところにあるんじゃないか・・・。そんなふうに感じていた時に、人間の進化には2通りのカタチがあるという話を知りました。ひとつは「目標達成型」で夢や目標を持ってそこに邁進していくタイプ。もう一つは「天命追求型」で、目の前にある課題に対して、ひとつひとつ力を出し切ることによって次の扉が開き、新しいステージに運ばれていくタイプ。つまり、自分から目標に向かっていくのか、まわりから運ばれていくのか、という違いです。お蔭様の精神を持つ日本人の感性に合っているのは、天命追求型だと思ったのです。まわりから応援されて運ばれていく、天命追求型こそ日本人の生き方、日本人の夢のかなえ方なのではないかと・・・。」

そして、「無理やり目標を作らなくていい。ただ、いま目の前のことをひとつひとつ大切にしていけばいい。そう気づき、なんだか、生きることに対して、安心感が生まれました。」

なんだかとても納得してしまいました。一度きりの人生、どっちをとるかはひとそれぞれですが・・・。

プロ意識

2014/12/17

72歳まで現役の国語教師を全うされ、平成17年、享年98歳で逝去された“大村はま”さんという方を、最近知りました。

「・・・熱心と愛情、それだけでやれることは、教育の世界にはないんです。子どもがかわいいとか、良く育ってほしいとか、そんなことは大人がみんな思っていることで、教師だけのことではありません。そんなものを教師の最大の武器のように思って教師になったとしたら、とてもやっていけないと思います。教師としては、人を育てる能力、教師の教師たる技術を持っていなければ困ります。たとえば、お話をひとつとっても、魅力的に話せる、騒いでいた子どもが思わず耳を傾けるようなお話ができなくてはならないのです。」『灯し続けることば』小学館より抜粋

保育士でも教育者ですから、同様のプロ意識を持っていかなければならないと思います。大村先生は、今の教師のプロ意識の欠如に我慢がならなかったようです。心していきたいと改めて思いました。

精神的回復のカギは?

2014/12/05

誰しも仕事や人生で逆境に陥ることがあるでしょう。その時に問われるのが「レジリエンス(逆境力)」だそうです。
逆境や困難、強いストレスに直面した時に適応していく精神力と心理的プロセス。
このレジリエンスはいかにすれば身につけることができるのでしょうか。
国内外のビジネスマンたちを指導し、著書がベストセラーになっている久世浩司さん(ポジティブサイコロジースクール代表)が語った「レジリエンスの鍛え方」とは──。以下に抜粋します。

≪「逆境体験や失敗には意味がある」という言葉をよく耳にします。これは真理だと思います。
ただ、試練の真っ只中にあって心が沈んでいく時に、そこにどういう意味があるかを考えようとしても、
考えられるものではありません。
逆境に意味を見出すには次に述べる2つのステップが必要だと私は考えています。
それはそのままレジリエンスの精神的回復のステップでもあるのです。
第一は、落ち込んでいる状態を底打ちすること。
言い換えれば恐れ、怒り、不安、罪悪感といった感情をセルフマネジメントできるようになることです。
しかし、頭では分かっているつもりでも実際にネガティブ感情に支配されてしまうと、
支配されていることにすらなかなか気づかなくなるものです。
かつての私がそうでした。
ついつい周囲に八つ当たりしたりチャレンジから遠ざかったり、行動も衝動的、消極的になってしまいます。
その状態から抜け出す方法があります。自分の感情に気づくことです。
怒りの感情に任せて暴言を吐く、叱られるのが怖くて引きこもってしまう
といった行動を取るのは、心が感情に完全に支配されている証拠です。
しかし、どのような時も「いまは感情に支配されているんだな」
と自分を客観視できれば、荒だった気持ちも冷静になります。
これはセルフマネジメントの第一歩です。
私がお勧めするのは感情に名前を付けること(ラベリング)です。
「あっ、これは怒りの感情だ」「恐れがやってきた」
と感情に名前を付けられるようになると、もやもや感の原因が“見える化”できます。
それは、体調不良の原因が分からずに悩んでいた人が、「胃腸不良ですよ」と医師から診断された途端、
まるで病気が治ったかのような気持ちになるのとよく似ています。
それができた段階で、次にネガティブな感情を宵越ししない、その日のうちに処理するというステップに入ります。
運動が好きな人であれば、帰宅前に軽く体を動かすといったことでもいいでしょう。
音楽、ヨガ、瞑想、日記など人によって方法は様々でしょうが、感情を積極的に晴らしていく工夫を習慣化していくのです。
このようにしてネガティブ感情が底打ちされると、次の課題はいかにそこから一刻も早く立ち直るかです。
私はその力を「レジリエンス・マッスル」と呼んでいます。
普段のトレーニングを抜きに、いきなり高い山には登れないように、
心の筋肉も普段から鍛えておくことが重要です。
自己効力感(やればできる!という自信)を高める訓練がその一つです・・・≫