「日本人と人を思いやる心の関係」と題して、小林正観氏(心学研究家)と神渡良平氏(作家)の対談記事があったので一部紹介します。
【小林】道元が、二人の弟子のうちどちらに跡を継がせるかを決めた時の話があります。
二人とも大変優れていたそうですが、一人は慈悲心が足りないので選ばなかったのだそうです。
日本という国は、この慈悲心、人を思いやる心だとか、
温かい心というものをたくさん含んだ魂を持っている人が集められているらしいんです。
そういう日本だからこそ間違いなく通用する方程式があります。
日本で商売をする時に、どうやって儲けるかということばかり考えてやると、
その問いが間違っているために答えが出ない。
だけど、どうしたら皆に喜んでもらえるか、と考えるとすべて答えが出てくる。
人に喜ばれることをやっていると、仕事も人間関係も間違いなくうまくいくのが日本という国なんです。
もちろん、相手に喜ばれるようにやっていったらどの国でも通用するとは思いますが、
特に効果が高いのが日本らしいんです。
【神渡】おっしゃるとおりだと思います。
例えばイスラムの人たちは、謝るということを絶対しません。
インシャーラ、つまりこれは神の思し召しでそうなったのであって、
自分が悪いのではないと逃げてしまいます。
アングロサクソンも、「アイム・ソーリー」と謝ってしまったら訴訟に負けるから、
絶対に言いません。
そういう意味からしても、日本人ほど柔らかい心を持っている民族はいないという感じがします。
どうやったらみんなに喜んでもらえるかを考える
2015/07/16